日経新製品ウォッチャー2005年5月30日号 p22、23
【レビュー】
<-196℃に低温技術で製法に革新>
サントリーは5月24日、缶チューハイの新製品「-196℃」を発売した。
製法の特徴をそのままネーミングに使い、従来のチューハイとの違いをアピールする。
缶チューハイの基本的な製法は、ウォッカなどに果汁を配合するのが基本。
しかし、-196℃の製法は発想を根本的に変えた。
果汁を配合する代わりに、果実をウォッカにつけこむ形を採用している。
果実をそのままつけるのではなく、-196℃の液体窒素によって瞬間冷凍し、微粉砕を行い、果実の成分を余すことなくアルコールに溶け込ましている。
果実の皮も粉砕されるため、皮に一番多いとされる香り成分もたっぷり楽しめる。
低アルコール飲料はこれまで、果汁の提案にバラエティーを持たせることで新製品を生んできた。
四季折々のもの、熱帯果実に広げたりしてきたが、果汁を配合することには変わらなかった。
サントリーの-196℃のように製法の発想を転換する商品開発トレンドが強まっている。
<健康志向で躍進する「カロリ」>
ビール・発泡酒市場では糖質カットなど健康価値を訴求する商品が伸びている。
低アルコール分野でも「健康」が切り口として注目されるだろう。
それを裏付けるのがサントリーの「カロリ」の躍進だ。
糖質80%カット、カロリー50%OFF、とチューハイで初めて健康志向にこだわった。
2004年の売上げは前年よりも2.6倍も増えた。今年もその勢いは止まらない。
低アルコール市場にはその他にカクテル系商品もある。
アサヒの「カクテルパートナー」、サントリーの「カクテルバー」が2大ブランド。
カクテルは女性を中心に、幅広い層から好まれている。
「カクテルバートナー」は市場第2位で、3位以下を大きく引き離す。
今年3月にリニューアルをし、昨年以上に売上げに弾みをつけたい。
ベースになるアルコールとフレーバーの組み合わせを季節ごとに提案して消費者のニーズにきめ細かく対応する商品開発を狙う。
<「氷結」のリニューアル?>
低アルコール市場は「氷結」の1強時代が続いている。
市場全体の38%を占め、揺ぎ無い地位を固めようとしている。
しかしながら、これまで2ケタ伸びだった低アルコール市場も1桁伸びにまで減速している。
5年目を迎えるこの商品も製品のフレッシュ感が薄まっているのではないだろうか。
キリンの商品開発リーダー小元は「全面リニューアルを検討している」と言う。 続きを読む